きょうのひとり飲み会

太く短くふわふわと

壱万円拾った

新宿駅に直結しているビルを出た。

風が吹いていた。

ビルを出たとき私は下を向いていたのだが、風に乗って足元をひらひらと一万円札が泳いでいた。

四つ折りだけど、泳いでいた。

 

キャッチ。

 

しかしどうしたものか。

5分ほど周囲を見たが探している人はいなかった。

この間、母にLINEをしてみたら届けておけと言われる。

軽く調べたところ、届け出なかったら横領になるんだとか。

何となくだけど、そのまま懐へ入れる気にはなれなかったので交番へ行く。

落とし主が現れなかったら現金をもらうかどうか質問される。

そりゃほしいわ。もらう。

住所、氏名、電話番号を伝えると、警察官が拾得物件預り書という書類にいろいろ記入してくれます。

最後は落とし主が現れなくて、私がもらう場合について説明を受ける。

「この交番に来るまでの費用を放棄します」

という内容の文章があるんだが、歩いてきたから放棄。

次。落とし主からの謝礼について。

「どんな人が拾ってくれたんですか?と言われたときに氏名を公開していいですよ、って話です」

これも放棄した。

個人情報知られたくないもん。大量の現金が入った財布ならまだしも本当にただお札だからなあ。

すべてを放棄します、にはチェック入れなかった。

というわけで、落し主が3ヶ月現れなかったらこの現金は私のものになります。

といっても謝礼を放棄しているので、現金の権利が私のものになっても警察から私に連絡は来ないんだそうだ。

警視庁遺失物センターに自分で電話すると受け取れるか教えてくれるそうです。

拾得物件預り書は複写になっているので一番の上の紙をもらって終了。