前回は「出身校で学び直すなら何をやりたいか」という話をしました。
私は東京農大の生物産業学部食品科学科という学科を出て現在に至るのだけど、今派遣の検査要員として働いていて何が役になっているかという話(注:この学科は卒後多少の改組をしているのでもう原形は留めてないかもしれない。学科の名称も変更になっているし)。
学校の勉強が役に立たないなんて嘘だと思うけど、役に立っていることあるのかな。
この話もどこかでしている気がする。まあいいか。
まずは実験。
私は検査要員なので、雇用形態が何であれ実技ができなかったら話になりません。
理論はあんまり理解していない。数値を判断するのは社員やある程度職位が上の人だし。
私の卒論は農作物をサンプルにしたごくごく簡単な分析化学だった。
言える範囲だと酸度滴定、pH測定、ケルダール法で全窒素(間違っているかも)、ソモギー何とか(糖質?)とか。屈折糖度計も使った。
ね、簡単でしょ。
分析化学というと機器分析に目が行きがちだけど、ガスクロとかガスクロとかガスクロとか。手分析は地味に役立つ。
手で行う滴定と検量線の概念は私には本当に必要だった。
前回「検量線やるなら相関係数までやれよ」と言ったけど、検量線の概念がわかれば食品以外に幅を広げられる。これはありがたい。
卒論の目的は農業試験場で試験栽培した作物がとある加工品を作るのに適しているか、分析値から検討するというもの。
作物の品種が30種類くらいあって、それをすべてこの試験項目。
うちの大学は卒論が8単位だった。4年は卒論以外必修科目がない。3年までに卒論以外の単位は全部取って、4年は卒論と就活に費やす。これで4年生という1年が終わる。
ケルダールにしてもソモギーにしても数値は滴定で求めるものが多く、私はやる気のない学生だったので滴定が1回終わると
「だるいなあ」
と言ってはたばこを吸うという体たらく。社会でそんなことやっていたら間違いなくぶっ飛ばされますね。
3、4年の時は毎日研究室に行っては実験ばかりしていた。
今思えば贅沢な時間だったと思う。学校じゃなかったら身につかないことばかりだもんね。
パソコンスキルは家庭でも再現できるけど、滴定装置は………滴定装置くらいなら再現できるかなあ。もちろん試薬は無理だけどビュレットさえ入手できれば水で練習はできるかもしれない。コックひねる感覚をつかむとか。でも指示薬がないから終点がわからないな。リカシツのセールで売ってないかなあ。
卒論以外にも学生実験ではいろんな実験をやった。
うちは3年で研究室にも配属されるからこのあたりになると自分の専門以外の選択科目の実験は取らない人が多いんだけど、私は実験だけは選択科目もすべて単位を取った。
だって実験費を毎年徴収しているのだからもとは取らないと(そっちかい)。
卒業後、同業他社に就職した友人と話していて
「硬さって学生時代にやったっけ?会社で必要でさー」
「それなら物性学実験(選択科目)でやってる」
「あああああああああああああああマジか」
となったことはある。
私が知っている範囲だと硬さはゆでめん、ヨーグルト、米粒など。棒状のものを上から押して数値化します。
ここで高校程度の物理の知識があると、とても良いのです。
私が食品会社の微生物検査というものを身に着けたのは26の時だったけど、ジャンルが違っても実験をやりこんだのは役に立っていると思う。もっともっとやっておけばよかった。
私は派遣で食っているので会社という組織で上に立つことはないんだけど、社員で直接検査をしなくても原理的なことの知識は必要だと思うよ。そうじゃないとトラブル対応ができない。
眠くなってきたのできょうはこのへん。たぶんこの記事支離滅裂だと思う。