きょうのひとり飲み会

太く短くふわふわと

飲みかけの飲み物

この時期になるとペットボトル入飲料の扱いについての注意喚起がありますね。

口を付けた飲みかけの残りは翌日に持ち越すと危ないよ、という内容です。

テレビの特集だとシャーレで培養したものの映像も出ることがあるけどほとんどの人にはピンとこないでしょう。

菌がたくさんあって汚いのは感覚的にわかるけど。あれも希釈倍率によって汚く見せることはできる。

あとは個人の体験談漫画とかで紹介されていますね。

 

私はお遊びでこの菌を培養したことがあります。

お仕事・図説カテゴリーのどこかにあります(リンクしろ)。

 

とある食品会社で微生物検査を担当していたんですけど、社員から

「なつみさん、私が用意した検体を培養してくれませんか」

と依頼された。この段階で彼女はそれが何かを言わなかった。

予想される菌数によっては希釈が必要です。

私は検体を受け取る時にそれが何なのか問うと彼女は「今日開けて普通に飲んだペットボトルの飲み口です」と言った。

 


どうやるのかというと、まず上の図のような綿棒を使ってペットボトルの飲み口をふき取ります。

左手に持っている容器に綿棒の部分を収納します。この中には希釈液が入っていて綿棒を入れ、キャップをし(綿棒上部の四角い部分がキャップ)振ったり綿棒をもむと10倍希釈されるという解釈になります。

ていうか、いらすとやはよくこんなイラストを描いたなあ。どう考えても需要ないでしょう。細かいことを言うと右手の綿棒の持ち方が違う。

この希釈液を培地と呼ばれる液体で固めて35℃くらいで2日間育てます。

培地には寒天や菌の栄養源が入っていて、50℃くらいの時に希釈液と混ぜます。

寒天が入っているので冷めると固まります。

菌がいれば塊が出るし、いなかったら表面は寒天でつるつるしています。

 

 

私はペットボトルの検査をしたことがなかった。だから菌数の予測もできません。しかし菌はある程度出ると予想できたので

「じゃあ希釈はあった方がいいよなあ………」

と思って100倍(10の2乗)と1000倍(10の3乗)の培地を用意したはず。このへんは忘れた。

で、結果ですが。

具体的な数値は忘れたけど「思ってたより出たな」と思った記憶がある。

1000倍の培地にも10以上出ていたので10の4乗。

飲み物と単純に比較はできないんだけど、惣菜が目視で腐敗していることがわかるのは6乗くらいだったような(うろ覚えです)。
体調を壊すかどうかは体質やその日の体調にもよるんだろうけど、いずれにせよ腐る2歩手前なんじゃないでしょうか。

ちなみにこの時の検体は

・お茶だったと思う

・10月下旬

・朝開封し、日中は常温に置き、直接口を付けて飲む。

・ふき取ったのは16時くらいなので開封から8時間くらい

という条件です。

8時間で4乗だったら一晩置いたら菌が増殖して発酵した結果、ペットボトルが膨れる可能性はあるのかな。

菌数の計算してみたいのだが方法がわからない。もしかしたら人生のどこかで習っているのかもしれないけど。

 

この話つづく。