父には毎年義理チョコが届くのだった。
お返しの手配をするのは母なので毎年嫌がるのだった。
相手は都内の女性。父と同世代。70代です。
父以外どういった人柄なのかぜーんぜんわからないのだった。
母は毎年悩む。父は知らないかもしれないがこういうのは妻のセンスが問われる。
添え文にはお返し的なものは不要です、とあるけど真に受けるわけにもいかないでしょう。
「なっちゃん、どうしたらいいものか」
「10年分送る。鳩サブレ66枚の缶とか」
ある日、母からLINEが来た。
「この辺で取れる野菜はどうだ」
「喜ばれて来年もチョコが来る」
「こまる」
「都会の人にはそういうの受けるんだよ」
母は生まれてから70年農村に住んでいるので「野菜を送る」というのは嫌みのつもりだったのかもしれない。
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