43歳。社会に出て約20年が過ぎた。
正社員もやったけどほとんど派遣で食っている。
派遣が75%くらい。正社員は10%、残りは無職。
ずっと食品会社にいた。
おかげで食品会社品質管理課の検査技法は一通り身についた。
しかしそれだけである。
正社員として転職したいなら中身のない経験ではある。
例えば私はHACCPのちゃんとした知識も実務経験もない。
そう、ないんです。知識としては知らないというわけではないけど断片的だしプロとしての経験があるとは言えない。
正社員だったのは義務化される前だった。勤務したのは導入されていない、する気もない会社だった。
義務化された頃からは派遣の検査員なのでやっぱり経験と呼べるようなものはない。
この他にも監査やクレーム対応も派遣の身分では身につかない。
派遣はただ検査ができればそれでよかった。文句言わなかったらもっといいのでしょう。
現実社会で「派遣で経験積みたくて」と言ってるやつに会ったことはあるが、建前じゃないとしたら一体どこを目指してるんだろう。
一生派遣で生きていくならそれでもいいけど、いつか正社員という一発逆転を狙うならインパクトがないよな「派遣で積んだ経験」って。
食品工場に限って言うと、派遣から正社員に転換しても派遣の経験は正社員でやっていく上での土台にすらならない。
正社員や紹介予定派遣の募集ではよく言われます、「検査経験じゃなくて『品質管理の』経験者がほしい」と。
派遣は品質管理課に配属されても、行うのは検査だけです。品質管理課の業務はそれだけではないんだけど、ここのところ勘違いしてませんか。
勘違いしてるから派遣で経験を云々と言えるのかもしれない。
もし派遣から正社員になれたなら、会社によるけど入社後は相当がんばらないとだめです。身についたものは確かな血となり肉となります。転職はしやすくなる。
そこをある程度わかっているからか、もうどこも目指していない。年齢のせいもあるのかな。
繰り返しになるがそもそも派遣で何か身につくものがあるのかと思っている。
おわり。
補足。
もちろん、正社員が何らかの事情で退職して派遣社員になった時には逆のことが起こる。
検査室に社員が直接関与するかどうかは会社によるけど、そこでやっていくには理論より手技がうまいやつが勝つに決まっている。
分析化学の理論をいくら知っていようが、pHメーターを電極に浸している2分くらいの間に滴定を終わらせられないなら検査室では負けです。
学生実験と実務では捌く検体の量も全然違う。
大事なのでもう1回言いますが、検査室で勝てるのは単純に検査ができるやつです。
理科は高校まで、社会に出て何十年も全然関係ないことをやってきた、という人もたまにいます。もちろん検査ができれば勝ちです。